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SHOKUNIN
SHOKUNINは、明治八年創業の日本で一番古い歴史をもつ手作り茶筒の老舗、開化堂と
京都で長年愛されている桶屋、中川木工芸のミラノでの合同展示会です。
今回この展示会のディレクションを担当させて頂きました。
一つの完成された商品を100年以上作り続けている開化堂と、
時代の流れに順応し、作る物を変化させ続けている中川木工芸が、
次世代にその技術やフィロソフィを繋いでいくという共通の理念を提示しようというところから始まりました。
「職人」をいう言葉は便宜上CraftsmanshipやArtisanという外国の言葉で翻訳されていますが、
日本語の「職人」という言葉に含まれる、次世代に繋いでいくという点をもっと伝えたいと
CraftsmanshipやArtisanという言葉は用いず、SHOKUNINという単語を冠して催しました。天皇陛下に献上する際の記念写真左:初代亀一氏と二代目清司氏 右:二代目清司氏(重要無形文化財保持者の認定後)と三代目周士氏ミラノサローネやフォーリサローネでは通常新商品の発表をどの企業・ブランドも行います。
今回SHOKUNINでは新商品の発表はあえてせず、
二社の重要なフィロソフィやもの作りの根幹にある物を提示し、
新たなステップに踏み込む宣言をしたのです。
140年、完成された茶筒を作り続けている開化堂はそのアティテュードを表すべく、
茶筒を可能な限り並べ、傍らには140年前や数十年前のビンテージの茶筒を展示しました。
中川木工芸は様々なプロトタイプを並べる事で、桶を作る過程で得た感覚的、
はたまた学術的に基づいた綿密な計算によって導き出された技術を展示しました。
ミラノでの展示は好評を博し、今後日本、パリやロンドンでも催される予定です。